100歳を越えても創作活動を続けた偉大な彫刻家にパワーをもらおう! 観光

日本を代表する彫刻家、平櫛田中(ひらくし・でんちゅう)をご存じですか?

 

知っているという方はかなりのアート通、知らないという方も、

「国立劇場」にある「鏡獅子」を制作したのが平櫛田中だと聞けば興味が湧くのでは?

そして、こちらの「小平市平櫛田中彫刻美術館」を訪れれば、

さらに興味を持ってもらえるはず!

 

初心者は、ボランティアガイドの案内で見学するのがおすすめ。

(ボランティアガイドについては、公式HPかお電話にてご確認ください。)

 

 

見学の前にまずは、田中がどんな人生を歩んだかざっとおさらい。

 

明治5年、岡山県に生まれた田中は、

青年期に人形師の中谷省古のもとで木彫の手ほどきを受け、

上京して高村光雲の門下生に。

 

以後、明治から大正、昭和にかけて彫刻一筋に取り組み、

日常の身近な人物をテーマにした作品から、仏教的なテーマにもとづく精神性の高い作品、

モデルを使用した作品に至るまで、多岐にわたる作風で「伝統」と「近代」をつなぐ存在として

日本の彫刻界を牽引してきた巨匠なんです!

昭和37年には彫刻界での功績が認められ、文化勲章も受章しています。

 

小平市に引っ越してきたのは田中98歳のとき。

玉川上水の風景が気に入って一橋学園に新たな邸宅を建て、

人生最期の約10年間をこの土地で過ごしたのです。

 

昭和54年に107歳で永眠するまで生涯現役!

 

長生きで“生涯現役”なんて、すごいですよね。

その邸宅をそのままの姿で保存し、作品を展示したのがこちらの美術館のはじまりです。

のちに邸宅の隣に展示館を新築し、現在の形になりました。

 

▲自然の光が差し込むモダンな雰囲気の「展示館」☆

 

まずは「展示館」の方から見てみましょう。

こちらには田中の代表作を含む数々の彫刻作品をはじめ、

田中が晩年に取り組んだ書や収集した美術・工芸品などが展示されています。

 

田中の経歴や作品についての分かりやすい解説パネルがついているので、

予備知識がなくても大丈夫!

 

なにより、優しい微笑みを浮かべる仏像や、ユニークな表情の彫刻、

今にも動き出しそうな彫刻を見ていると、時間がたつのも忘れて作品の持つ力に

引き込まれてしまいます。

 

▲田中の代表作「鏡獅子」(右)と「鏡獅子試作裸像」。

 

なかでもひときわ目を引くのが「鏡獅子」。

 

田中が22年もの歳月をかけて完成させた、高さ2メートルにもなる大作は前述の通り、

永田町の国立劇場に展示されていますが、こちらはその4分の1のスケールの作品。

それでも十分に、気迫が伝わってきます。

 

歌舞伎役者の六代目尾上菊五郎をモデルに作られたとのことですが、

なんとこちらには、その菊五郎が衣装をつける前の姿を石膏彫刻にした

「鏡獅子試作裸像」という作品も展示されているんです!

 

田中は、分厚い衣装の下で実際の骨格や筋肉がどうなっているのかを

きちんと掴んだうえで、衣装をつけた作品を作りたいと考えたんですね。

 

 

次に、田中の旧宅だった「記念館」を見学☆

▲これぞ伝統的な日本家屋という風情たっぷりの佇まい。

 

「記念館」は平屋造りの美しい日本建築。

広々とした庭園には季節ごとに花を咲かせる木が植えられ、

春と秋には「お茶会」が開かれるそう。

 

▲田中の暮らしていた当時のままの姿をとどめる居間(左)と、愛用品の数々。

 

田中が暮らしていた頃のままの居間や寝室、100歳を越えても精力的に創作活動をしていた

アトリエなどを見て回ると、「偉大な彫刻家」というだけではない、

田中のつつましい生活ぶりやパワフルなキャラクターが生き生きと伝わってきます。

 

<いまやらねばいつできる わしがやらねばたれがやる>と力強くしたためられた書に

勇気をもらう人は多いのではないでしょうか。

 

▲これはなに? 玄関近くにそびえ立つ巨大な木のオブジェ?!

 

美術館の玄関近くにそびえ立っている、この巨木はなに? !

 

実はこれ、田中が100歳のときに買った彫刻用のクスノキの原木なんです。

なんと、20~30年分の彫刻の材料になるんですって。

一体、田中はいくつまで彫るつもりだったのでしょう!

本当にすごい創作意欲です。

 

こちらの美術館では、通常の展示のほかに

期間限定の「特別展示」や「企画展示」も開催されています。

 

2017年はロダンの没後100年ということで「ロダンと近代日本彫刻」を

テーマにした特別展示や、「うるわしき漆と木」といった企画展示など、

田中の作品だけに限らず彫刻や工芸についての興味深い企画が目白押し。

 

ほかにも「親子で美術館」や「わくわく体験美術館ウィーク」

「ナイトミュージアム」といったイベントも盛りだくさん。

 

ぜひ定期的にチェックしてみてくださいね☆

 

今回ご案内いただいた学芸員の藤井明さん。

その他、田中の生涯を紹介するビデオ放映もしているので、見てから周るのもおすすめ!

 

小平の魅力伝え隊LLRがお届けする「平櫛田中美術館」の動画はこちらから

スポット情報

スポット名 小平市平櫛田中彫刻美術館
所在地 東京都小平市学園西町1-7-5
営業時間 10:00~16:00
休業日 ・火曜日(祝日の場合は翌日)
・年末年始(12月27日~1月5日)
・展示替期間
TEL 042-341-0098
Webサイト http://denchu-museum.jp/

この記事を書いた人

こだいら観光まちづくり協会さん

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こだいら観光まちづくり協会さん

ボランティアガイドさんの案内でまわると、また彫刻のおもしろさが違ってきます。ぜひ、案内してもらってください!

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