手打ちのおいしさは格別♪ 小平名物「糧うどん」を味える「うどん弥 根古坂」 和文化麺類
JR新小平駅から徒歩7分。
住宅街の中に佇む「うどん弥 根古坂」は、自宅を改装し、小野さんご夫婦2人で切り盛りしている小さなお店。
でもここ、小野さんの手打ちうどんを求めて、遠方からも多くの人が訪れる人気店なんです!
▲のれんをくぐって店内へ。厨房の前にカウンター席が並んでいます。ここ、もともとは和室だったそう。
うどんはすべて、小平で昔から食べられてきた「糧(かて)うどん」。
糧とは、軽く湯通しした野菜のこと。
このあたりはその昔、水田がほとんどなかったため、小麦を栽培し、小麦粉で打つうどんを食していたそうです。
なかでも、糧(茹で野菜)を添え、温かいつけ汁でいただく糧うどんは、正月や盆、冠婚葬祭といった行事に
登場する“ハレ”の日のごちそうだったんですって。
地元を愛する小野さんは、小平産の地粉(小麦粉)を使用。
それも、小麦の風味を生かすため、精製せずに麦を丸ごと粉にした全粒粉を使います。
この地粉に塩を加えてしっかりとこね、寝かせます。
「こねる」「寝かせる」を3〜4回、繰り返すのだそうです。
手打ちうどんって、手間も時間もかかるんですね!
待つこと約15分。ゆで上がり、冷水でしっかりと締めたうどんが出てきました
(いったん締めた後で麺を温める「あつもり」にすることもできます)。
全粒粉を使ったうどんは真っ白ではなく、少し灰色がかっています。糧はキャベツとニンジン。
さらに、季節の野菜を使った小鉢が2つ付くのもうれしいですね☆
さっそくいただきます♪まずは、つけ汁に浸さずにひと口。
ツルンとした口当たりに、シコシコとしなやかな弾力、そして滑らかなのど越し。小麦の味もしっかりします。
思わず「おいしい!」と叫んでしまう。
さらに、つけ汁に浸してズズズっ。
かつお節の香り豊かな濃い目のつけ汁が麺に絡んでたまりません!
つけ汁は出汁に「かえし」を合わせたもの。
出汁は、頭やはらわたを取り除いた煮干しを一晩水に漬けて水出しし、さらにかつお節やさば節などを加えてとります。
かえしは、一般的には醤油(しょうゆ)、みりん、ざらめで作られるそうですが、
「うどん弥 根古坂」では、みりんの代わりに九州の赤酒を加えているそう。
つけ汁も、手間と時間がかかっているんですね。
糧はうどんと一緒に食べてもいいし、つけ汁に入れてもいい。
もちろん、そのまま食べても◎キャベツもニンジンも程よいゆで加減で、シャキシャキです。
特に冬のキャベツは身を寒さから守ろうとするから甘くなるんですって。
こちらは「肉汁糧うどん」。
豚肉とネギがたっぷり入っています。豚肉は湯引きして余分な脂を取り除いているそう。
豚の旨みとネギの甘みが絶妙で、これまたおいしい!
食べられるかな?と思ったボリュームでしたが、夢中でペロリと平らげてしまいました。
ちなみに、うどんはそれぞれ、大盛り(麺500g)は200円増し、小盛り(200g)は100円引きに。
麺が温かい「あつもり」も同料金です。
最後に「たらしもち」もいただきました☆
「具のないお好み焼きみたいなもの。昔はこれがおやつだったんだよ」と小野さん。
地粉を水で溶いて焼くだけというシンプルなおやつです。
粉は、全粒粉にさらに麬(ふすま)を混ぜたもの。
麬とは麦の表皮のことで、普通は精製され取り除かれてしまいますが、とっても栄養があるんです。
焼き上がったたらしもちには、砂糖醤油がかかっています。
シンプルなのに味わい深く、麬の香ばしさとコクが口に広がります。
砂糖醤油がなんだか子どもの頃を思い出すような、なつかしい味…!
小野さんは小平の食文化を伝えるため、
小学校や中学校でうどん作りの体験授業をするなど、食育にも取り組んでいます。
いろんな楽しいエピソードを聞きながら、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
お腹もいっぱいですが、心もほっこり♪
おいしいうどんと楽しいお話に、わざわざ遠方から来る人が多いのも納得。
売り切れじまいなので、早めの来店がおすすめです!
スポット情報
この記事を書いた人
こだいら観光まちづくり協会さん
コメント
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加藤勝也さん
地産地消とはまさに根古坂さんの糧うどんでしょう。埼玉まで広がる広い武蔵野の地域ではどこへ行っても名物は「うどん」。東村山なんかでも個人宅のお店が人気ですよね。でも「小平の」昔の本物を味わいたいならこちらへ。手に入らない地元の素材にこだわった正真正銘の逸品が目の前で作られます。早めに行かれることをおすすめします!(売り切れごめん)