ライトアップdeフォト五七五コンテスト2024結果発表!
ライトアップdeフォト五七五コンテスト2024の結果を発表いたします。
たくさんのご応募ありがとうございました。
入賞「天」 裏山に灯のともりたる百紅葉 和泉
入賞「地」 灯されし紅葉の向かふより呼べり 中村朔
入賞「人」 ひと年が夢のごとはや初紅葉 一歩
佳作一席 火の恋し私を包む紅き森 遥凛
佳作二席 淡の字に炎ありけり冬紅葉 齋藤なごみ
佳作三席 灯をあびて煌めくもみじに照るぼくら アヤカウ&ひろちゃん
【総評】
今年もたくさんの紅葉の句が集まり、力作揃いで選考は大変苦労しました。
萩山公園へ実際に足を運ばれて、ライトアップされた紅葉を見て、感動して、楽しまれて作ったという事が、どの作品もよく伝わって来ます。
この催しが小平の風物詩となって、広まってゆく事を願っています。
中嶋憲武(俳人)
【天】 裏山に灯のともりたる百紅葉 和泉
【講評】
「裏山」の設定が、まずよかったです。萩山公園は裏山と言われれば、確かにそういう感じもします。俳句ではよく「虚実の間(あわい)」という事が言われますが、うまく虚を取り入れて、スケールのある句になりました。
【地】 灯されし紅葉の向かふより呼べり 中村朔
【講評】
綺麗にライトアップされた紅葉の向こうから、名前を呼ばれたという、それだけのことですが奥行きのある句です。「呼ばれ」ではなく、「呼べり」としたところに、名前を呼んでいる相手との精神的な距離感が出ました。
【人】 ひと年が夢のごとはや初紅葉 一歩
【講評】
一年があっという間の事というのは、よく経験される事ですし、耳にもします。「一期は夢」「一炊の夢」という言葉は共に短い時間の夢の事です。夢の時間感覚は変幻自在で不思議なものです。この句は、そうした時間感覚を季語「初紅葉」によって的確に表しました。
【佳作一席】 火の恋し私を包む紅き森 遥凛
【講評】
「火恋し」という季語は、晩秋の季語で秋も深まった頃、なんとなく身の回りが冷え冷えとしてきて、火の気が欲しいと思う頃の季語です。そうした季節感と紅葉の森を「紅き森」と表現したところに作者の発見があります。
【佳作二席】 淡の字に炎ありけり冬紅葉 齋藤なごみ
【講評】
言われてみれば「淡い」という字には、炎という字があります。視覚的には炎が二回感知されることによって、冬紅葉の紅さが活き活きと目の前に迫ってきます。テクニカルな句です。
【佳作三席】灯をあびて煌めくもみじに照るぼくら アヤカウ&ひろちゃん
【講評】
俳句は五七五という非常に短い詩形ですので、一読よくわかるということが大切です。この句はそう言った意味で、わかりやすい句です。中七の「煌めくもみじに」の「に」を取って七音にしても充分意味が通りますので、出来ればそうしたいところです。下五の「照るぼくら」によって楽しい句になりました。