農園で摘み取り体験を楽しみ、本当においしいブルーベリーを味わおう!「島村ブルーベリー園」 観光買う文化

ブルーベリー栽培発祥の地、小平。現在は生産者36人と増え、各所でブルーベリーの摘み取りなども楽しめます。

でも、そもそもなぜ小平でブルーベリーなのでしょうか。

物語をひもとくため、50年近く前から栽培に取り組む「島村ブルーベリー園」を訪ねました。

 

▲「島村ブルーベリー園」の入口。この看板が目印です。

 

島村速雄さんのお宅は200年続く農家です。

花き栽培を学ぼうとしていた島村さんがブルーベリー栽培に取り組むきっかけとなったのは、

“日本のブルーベリーの父”といわれる東京農工大学教授、故・岩垣駛夫教授との出会いでした。

 

何の情報もない中、ブルーベリーの研究を始めた岩垣先生は、周りの教授たちからも怪訝がられていたそうです。

先生の信念は「ブルーベリーは加工原料ではなく、果物だ。輸入物に負けない“本物”を作ろう」というものでした。

 

「日本でやる人がいないから、君の畑の片隅に植えて、その結果を見続けてほしい」。

東京農工大学を卒業後、実家の農家を継いでいた島村さんは、そう先生に言われます。昭和43年のことでした。

 

▲1980年代初め、来日した米国のブルーベリー研究者夫妻(中央)、そして岩垣先生(左)と島村さん(右)。島村ブルーベリー園にて撮影。

 

手探りの状態でしたが、仲間10人ほどでブルーベリー栽培に取り組んだそう。

島村さんたちの情熱と努力のおかげで、今があるのですね。

「岩垣先生の人間性に惚れたんです。誠実な方で、退官されてからも毎週のように小平に立ち寄ってくださいました。

ずっと、先生のお手伝いをしているという気持ちです」と、島村さんは懐かしそうに振り返ります。

 

ところで、ブルーベリーにも品種がたくさんあります。

今、小平で主に栽培されているのは、ラビットアイ系の品種。最初に岩垣先生から渡された系統の品種です。

ただ、島村さんはほとんどをハイブッシュ系の品種に切り替えていました。それは果実が柔らかく、

酸味に極端な感じがしないから。

 

でも、昭和51年、アメリカへ研修に入ったときにラビットアイを食べ、前日に食べたハイブッシュとのあまりの違いに

「こんな味があるの!?」と言葉を失ったそう。それは、リンゴでいうと早稲種と晩成種のようなもので、

酸味と甘味の深さがまったく違ったのだとか。帰国してすぐに、ラビットアイ系に戻したそうです。

 

▲完熟のタイミングで収穫したブルーベリーはとってもおいしい!

 

「本当においしいブルーベリーを食べてほしい」と島村さん。

なぜなら、収穫の時期の見極めや、おいしい実の選別はとってもむずかしいんです!

 

ブドウやリンゴなど、果物は収穫直後より時間がたったほうがおいしくなるものがほとんど。

でも、ブルーベリーは違います!収穫したときが最高の味♪時間がたてばたつほど、

品質が下がっていくそうです。だからこそ収穫と選別が大切なのですが、

ブルーベリーは着色してから完熟するまで、ほとんど色の変化がないので、見た目だけではわからないんですって!

 

というのも、ブルーベリーは房状に花が咲きます。

つぼみの中に10〜12輪の花があり、それらが約1カ月かけて開花し、実をつけます。

つまり完熟の時期がずれ、同じ房の中に熟したのと未熟なのが存在するのです。

「これは大変!」と言うと「私も選別できるようになるまで15年かかりましたよ」と島村さん。

 

完熟したものと未熟なものでは、天と地ほどの差!

島村ブルーベリー園で、ベストな実を食べた方は「こんなに味が違うの!?」とびっくりするのだとか。

 

ブルーベリー摘みにきた子供たちには「ブルーベリーをちょっと触って、お父さんの指とお母さんの指の感触を比べてごらん。

お母さんの指のように柔らかいほうをもぐんだよ」と説明するそうです。果物は「今が最高ですよ」という状態で

自ら木から離れるから、柔らかさが基準になります。

「てのひらを上にして少しふくらみを作り、房を指先でやさしく触ってポロリと落ちる実ですね。

段々その感覚がわかるようになります」

 

実は1番おいしいのは、農園の方がベストな完熟状態でもぎ、パック詰めにしてくれたものを農園で食べること

(自宅に持って帰る道中で味が劣化していってしまうため)。

でも、その味の違いも、自分が実際にブルーベリーを摘み取り、

いろんな実を食べてみてからこそわかるんですよね☆やっぱりこれは体験せねば!

 

「今、小平では15種類くらいの品種があると思います。いろんな農園を訪れて、自分の好きな味を探してみてください」と島村さん。

「ブルーベリーの本当のおいしさを知ってもらえれば、それに応えようと生産者も努力します。

よい関係を築いていけたらと思っています」

 

▲もちろん、手作りの無添加ジャムなど、加工品も売っています☆

 

島村ブルーベリー園では7月21日からブルーベリーの摘み取りが始まります。開園期間は8月下旬まで。

この夏のレジャーは、ブルーベリー狩りに決まり☆

ぜひ本物のおいしさを味わいに、農園へ足を運んでみてください!

スポット情報

スポット名 島村ブルーベリー園
所在地 東京都小平市花小金井南町1-10-13
営業時間 ・開園期間:7月21日~8月下旬(なくなり次第終了)
・開園時間:10:00〜12:00、15:00〜17:00(いずれも30分前までに入園)
休業日 月曜、水曜、金曜、8月13〜15日
TEL 0424-61-7824(要予約)/090-2451-7622(雨天時)
Webサイト http://s-blueberry.blogspot.jp

この記事を書いた人

こだいら観光まちづくり協会さん

コメント

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加藤勝也さん

今はあちこちのブルーベリー畑で摘み取り体験を子どもとできますが、3~4年前ぐらいまではブルーベリーの摘み取り体験と言えば島村さんでした。8年前、初めて摘んだときのブルーベリーの味は忘れられません。ブルーベリーと言っても千差万別。木によって、日当たりによって、高さによって…最高の味をゲットするのに夢中になります。収穫期以外の時期でも冷凍された最高品質のブルーベリーが買えますよ。やっぱり商業栽培発祥の島村さんの畑からブルーベリーはスタートですね。

AOIGPさん

今年こそブルーベリー狩り、行ってみたい!